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インバウンドはいつまで続く?訪日外国人観光客の数・消費額の推移や今後の見通しについて徹底解説!

近年、日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)の数が急増し、2024年には過去最高を記録しました。

インバウンド需要はこのまま続くのか、いつまで成長が見込めるのか、多くの企業や自治体が関心を寄せています。

本記事では、訪日外国人客数や消費額の推移、インバウンド需要が継続する理由、さらには政府が掲げる目標や具体的な対策まで、インバウンド需要の現状と将来の見通しを徹底解説します。

インバウンドとは日本へ訪れる外国人旅行客のこと

観光客

「インバウンド」とは、日本を訪れる外国人観光客や、その訪問によって国内で発生する経済活動を総称する言葉です。

観光分野においては、訪日外国人の移動・宿泊・買い物・食事などを含む行動全体を指し、観光庁や自治体、民間企業などが注力する重要な分野となっています。近年、日本政府は「観光立国」を掲げ、訪日客の増加と観光産業の振興を成長戦略の柱に据えています。

インバウンドは観光業に限らず、交通・小売・エンタメ・IT・地域開発などさまざまな産業と関わり、国内経済の活性化に貢献する存在です。今後は量の拡大だけでなく、質の向上も重視され、より多様な国・地域からの誘致や、地方への分散、体験型観光の充実などが求められています。

インバウンド需要とは訪日外国人客が生み出す消費やニーズのこと

外国人観光客

インバウンド需要とは、訪日外国人旅行者が日本で行う消費行動や、それによって生じる様々なニーズを指します。

宿泊・飲食・交通・買い物・観光施設の利用などが代表的で、これらの支出が国内経済に与える影響は非常に大きいとされています。特に訪日客の消費額は年々増加傾向にあり、旅行スタイルも「モノ消費」から「コト消費」へと多様化しているのが現状です。

こうした需要は観光業だけでなく、地域振興・流通・医療・通信など幅広い分野に波及し、日本経済の成長エンジンとしての役割が高まっています。インバウンド需要の分析は、今後のマーケティング戦略や地域政策、サービス改善において極めて重要であり、ビジネスチャンスとして積極的に活用すべき視点です。

インバウンド需要の推移

グラフ

インバウンド需要の規模がどのように推移してきたか、直近までのデータを調査しました。ここでは以下の2点について紹介します。

  • 訪日外客数の推移
  • 訪日観光客の消費額の推移

訪日外客数の推移

2019年には訪日外国人客数が約3,188万人に達し、過去最高を更新しました。しかし2020年以降、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により各国が渡航制限を行い、訪日客数は一気に数十万人レベルまで激減。事実上、観光目的での入国はほぼゼロとなりました。

その後、水際対策が段階的に緩和されたことで、2022年以降は回復基調となり、2023年には約2,500万人、そして2024年にはついに約3,687万人に達し、2019年の記録を上回りました。

回復の要因には、円安による割安感や、日本の観光地としての高い人気が背景にあります東南アジアや欧米をはじめ、従来よりも多様な国・地域からの訪問が増えた点も注目されています。

訪日観光客の消費額の推移

訪日外国人による旅行消費額は長期的に拡大しており、インバウンド需要の成長を示す重要な指標です。コロナ禍で訪日客数が激減した2020~2021年には大幅に落ち込んだものの、2023年には既に2019年の水準(約4.8兆円)を上回りました。

そして2024年には約8.1兆円と、過去最高額を記録しました。これは2019年比で約69%増という大幅な伸びです。この増加には、円安で日本が割安に感じられること、インフレ影響による価格上昇、高付加価値なサービスの拡充などが寄与しています

また、訪日客の消費傾向が「モノ消費」から「コト消費」へ移行し、観光体験や文化体験への支出が増加している点も注目すべき動きです。

インバウンド需要が継続する主な理由

鳥居

インバウンド需要が継続するとされる背景には、円安による割安感と日本観光の高い人気という2つの要因があります。

  • 円安の影響
  • 日本観光の注目度の高さ

円安の影響

円安(日本円の為替レート安)は訪日観光にとって大きな追い風となっています。海外の旅行者にとって、日本円の価値が下がることで自国通貨の購買力が高まり、日本での旅行や買い物が割安に感じられるようになることでしょう。

その結果、限られた予算でより充実した滞在が可能になり、訪日旅行への意欲が一層高まると考えられています。実際、2024年には円相場が一時1ドル=160円を超えるなど、歴史的な円安水準が続いたことで、訪日外国人客数および旅行消費額は過去最高を更新しました。

こうした為替の変動は観光需要に直結する要因であり、今後も訪日旅行の動向を左右する重要な経済指標として注目が集まるでしょう。

日本観光の注目度の高さ

日本は歴史ある寺社仏閣、美しい自然、四季折々の風景、繊細な食文化、治安の良さなど、世界的にも高く評価される観光資源に恵まれています。こうした要素が組み合わさり、長年にわたり「一度は訪れたい国」として多くの旅行者の関心を集めてきました。

2024年には東アジアに限らず、欧米や東南アジアなど多様な地域からの訪問が増え、訪日客数は過去最多を記録しました。加えて、SNSやインフルエンサーによる情報発信が旅行意欲をさらに刺激しています。

日本の観光ブランドは高く、文化的な魅力や体験型の旅を求めるニーズに応えられることが、インバウンド需要の持続的な強みとなっているのです。

インバウンドの継続で生じるメリットとデメリット

指を立てる女性

インバウンド需要が継続すると、日本社会や経済にはさまざまなメリットとデメリットが生じます。プラス面を最大化しマイナス面を最小化するためにも、両面を正しく理解することが重要です。まずはメリットから見ていきましょう。

インバウンドによるメリット

インバウンド需要のメリットは経済・雇用・地域活性化の3つに大別できます。

それぞれが相互に関連しながら、日本全体の成長を支える好循環を生み出しているといえるでしょう。

  • 経済の活性化
  • 多角的な雇用の創出
  • 地域経済の振興

経済の活性化

訪日外国人が日本国内で消費する金額は、経済全体に大きなインパクトを与えます。宿泊、飲食、交通、買い物、エンタメなど幅広い分野で売上が増加し、企業の収益向上や関連産業の成長につながるためです。

特に観光関連産業は裾野が広く、農業や製造業など間接的な分野にも波及効果があります。たとえば、2024年の訪日外国人による旅行消費額は約8.1兆円に達しており、過去最高を記録しました。

こうしたインバウンド消費は国内の景気を下支えし、税収増や地域経済への波及を通じて、国全体の経済成長を後押しする重要な要素とされています。

多角的な雇用の創出

インバウンドの拡大は多様な職種に雇用をもたらすことも事実です。観光業や飲食、小売、交通、サービス業など、外国人観光客の受け入れに関連する業界では人手不足が課題となっており、訪日客の増加は人材需要の拡大を促進しています。

とくに女性や若年層、シニア、外国人スタッフなど、多様な人材が活躍できるフィールドが増えている点は注目です。

こうした雇用創出は都市部に限らず、地方でも効果が大きく、地域の活性化や人口減少対策の一環としても期待されています。インバウンドは社会全体の働く機会を広げる力を持っているのです。

地域経済の振興

都市部だけでなく、地方地域にもインバウンド効果は波及しています。

外国人観光客が地方の温泉地や文化遺産、自然豊かな観光地を訪れ、宿泊・飲食・観光施設・交通などに消費をもたらすことで、地元経済に新たな収入が生まれます。これは単なる売上増にとどまらず、地域資源の価値再発見や伝統文化の継承にも寄与します。

また、地元産品のブランディングやインフラ整備の促進にもつながり、地域の持続的発展が後押しされるのです。政府も観光施策において「地方誘客」を重視しており、インバウンドは地域創生の強力な手段と位置づけられています。

インバウンドによるデメリット

一方で、インバウンド需要の拡大は負の側面も招きます。ここでは主な3つのデメリットについて解説します。

  • オーバーツーリズムの発生
  • 多言語・多文化への対応
  • 地域住民との関係性悪化

オーバーツーリズムの発生

観光客が多すぎることで街の受け入れ能力を超え、オーバーツーリズム(観光公害)が深刻化するケースが国内外で問題視されています。

京都市では昨年、国内外から年間5,600万人以上の観光客が訪れ、公共交通機関や道路が観光客で過密状態となりました。その結果、旅行者の満足度が下がるだけでなく、地元住民の生活にも悪影響が及んでいます。

観光地の環境悪化やインフラへの負荷、住民の生活圧迫などの弊害が生じており、観光客の集中しすぎには注意が必要です。

多言語・多文化への対応

急増する外国人観光客に対応するには、多言語・多文化への対応が欠かせません。言葉が通じないことによる困難は訪日客の約15%が感じているという調査もあり、接客時のコミュニケーション不足や案内表示の不備がトラブルにつながるケースもあります。

宗教や生活習慣の違いへの理解も必要で、言語や文化の壁に対応する整備が追いつかないと、観光客の満足度低下や受け入れ側の負担増大を招きかねません

このため、案内標識の多言語化やスタッフの語学研修など、受け入れ環境の整備が重要になっています。

地域住民との関係性悪化

観光客の増加は、地域住民との関係にも影響します。日常生活の場に観光客が押し寄せることで、住民がストレスを感じたり、観光客のマナー違反が社会問題化したりする例があります。

読売新聞の調査では、京都では住民の約90%が観光客増加の悪影響を感じており、その中でも「外国人観光客のマナー違反な行動」が大きな苦情の一つに挙げられたとされています。地域住民の生活が脅かされると観光地への反発も生まれかねず、観光の持続には住民との共生策が欠かせません。

参考:読売新聞オンライン「京都への観光客で交通など混雑、地元住民9割「迷惑する人がいる」…市内観光地には「ほぼ行かず」22%」

日本政府が掲げる目標は「2030年に6,000万人・消費額15兆円」

日本国旗

日本政府は、インバウンドを一時的な現象ではなく持続的な経済成長の柱とすべく、長期的な数値目標を設定しています。

それが「2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人・訪日旅行消費額15兆円」という目標です。これは2023年実績(訪日客数約2,400万人・消費額約5兆円)と比較して、旅行者数を約2.4倍、消費額を約2.8倍に拡大する野心的な計画です。

観光庁の発表によると、この達成に向けては地方誘客の推進、高付加価値化、多様なニーズへの対応などが重点施策とされています。

この目標が現実のものとなれば、インバウンドは国内の産業全体を牽引する成長エンジンとして、今後ますますその存在感を高めていくことになるでしょう。

インバウンド需要の具体的な対策

キャッシュレス決済

インバウンド需要を確実に取り込み、持続的な成長につなげるために、官民でさまざまな対策が講じられています。ここではその中から主な3つの対策を紹介します。

  • キャッシュレス決済の導入
  • 多言語対応スタッフの育成
  • 免税手続きの簡素化・DX化

キャッシュレス決済の導入

訪日客の利便性向上策としてまず重要なのが、キャッシュレス決済環境の整備です。クレジットカードやモバイル決済が当たり前の国から来た旅行者にとって、日本で現金しか使えない場面が多いとストレスになります。

観光庁の調査でも、地方旅行中に「両替やカード利用」に困ったと感じた訪日客が多いことが指摘されており、多くの観光地でキャッシュレス対応を進める動きが加速しています。

政府も観光地の店舗でのキャッシュレス決済導入を支援しており、スムーズな決済環境を整えることで訪日客の満足度向上と消費拡大が期待されています

多言語対応スタッフの育成

言語の壁を取り除くために、観光現場で多言語に対応できる人材の育成が不可欠です。海外からの旅行者と直接接するホテルや飲食店、小売店では、英語はもちろん中国語や韓国語などで案内できるスタッフが求められています。

現在、自治体や企業による語学研修や多言語接客マニュアルの整備、外国人留学生のアルバイト採用など、さまざまな取り組みが進められています。スタッフがスムーズに外国語で対応できれば、訪日客の満足度向上につながり、リピーターの増加や口コミ効果も期待できそうです観光庁も案内表示や観光マップの多言語化を支援し、旅行者が安心して観光できる環境作りに力を入れています。

免税手続きの簡素化・DX化

日本で買い物をする外国人旅行者向けの免税手続きも、簡素化・デジタル化が進められています。

従来は紙の書類に記入したりパスポートにスタンプを押したりする必要がありましたが、2021年10月から免税販売手続きの電子化が義務化され、大幅に手続きが簡略化されました。

現在はパスポートをスキャンするだけで免税処理が完了する店舗も多く、書類記入の手間や待ち時間が減ったことで旅行者のストレス軽減と購買意欲の向上につながっています。

今後もデジタル技術を活用して免税システムをさらに効率化し、訪日客が快適にショッピングを楽しめる環境を整えることが課題です。

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まとめ

インバウンド需要はコロナ禍からの回復局面を超え、現在は構造的な成長フェーズに入りつつあります。円安や日本観光の高い国際的評価を背景に、訪日外国人市場は今後も拡大が見込まれる一方、オーバーツーリズムや受け入れ環境の整備といった課題への対応が不可欠です。

企業や自治体にとって重要なのは、インバウンドを「数」だけで捉えるのではなく、どの国・地域の旅行者が、いつ・どこで・どのような行動をしているのかを把握したうえで施策を設計することです。そのためには、人流データなど客観的なデータを活用し、エリア特性に即した戦略を立てる視点が欠かせません。

データに基づいた意思決定を行うことで、インバウンド需要を一過性で終わらせず、地域経済や事業成長につながる持続的な成果へと転換していくことが可能になるでしょう。

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